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ICEM HIV/エイズ E-ニュースレター No. 5

30 January, 2006第5号 2006年2月発行

このニュースレターは皆さんのニュースレターです。
皆様からの投稿をお待ちしております!


ICEM加盟組織はすでにさまざまな取組みを展開しています。企業と協約を締結した組織もありますし、 職場で教育・意識啓発活動を実施している組合もあります。新たに結ばれた協約、キャンペーン、ベストプラクティスの情報を幅広く提供するため、加盟組織の皆様、コーディネーターの方々からニュースや情報をお待ちしています。
ご連絡は[email protected]まで。


国際エイズ会議に連結し、グローバル労働フォーラムを開催

カナダが主催国となり8月13日―18日にトロントで開催が予定されている第16回国際エイズ会議の開催準備が進む中、カナダ労働会議(CLC)はHIV/エイズ政策及び行動計画の国レベル及び国際レベルにおける労働者及び職場に対する影響力と有効性に関する総合評価を実施することを決めた。この評価は、国際エイズ会議に連結してCLCが主催する「HIV/エイズに関するグローバル労働フォーラム」の土台となる。

CLCが創設した「カナダHIV/エイズ労働基金(The Canadian HIV/AIDS Labour Fund)」は、公正な治療を受ける労働者の権利を積極的に推進し、エイズ関連疾病の予防と蔓延に関する情報を職場で提供している労働組合と密接な協力関係の下で活動を展開している。カナダの労働組合は、カナダ国際開発庁との協力のもと、刷新的かつジェンダーに配慮したエイズ予防および支援キャンペーンを開発途上国数カ国で開始する。
(出所: CLC プレスリリース)

国際エイズ会議に関する情報は www.aids2006.org をご参照ください。


エイズ治療の第二選択薬は高すぎる、と国境なき医師団(MSF)が警告

エイズ治療の第一選択薬は、現在、患者一人当たり年間200米ドル(23,500円程度)以下となっている。しかし、懸念されているのは、第一選択薬が効かなくなり、薬価が高い、従って、アクセスが難しくなる第二選択薬に治療薬を変えなければならないHIV陽性者の数が増えている事実だ。

国際人道的援助組織である国境なき医師団(MSF)によれば、ケニアの場合、第二選択薬は年間で患者一人当たり1400米ドル(165,000円程度)かかる。南アフリカのクリニックでは、国境なき医師団は第一選択薬で550人の患者を治療するコストで58人の患者を第二選択薬で治療している。

比較的価格の手ごろな第一選択薬による治療を拡大すれば、今後、もっとコストが高い第二選択薬による治療のニーズが必然的に増えてくることは明瞭だ。第一選択薬による治療から第二選択薬による治療に移行することができない場合、副作用が生じたり耐性が強くなって第一選択薬が効かなくなるため、エイズ患者は死の宣告を受けることになる。

国境なき医師団によれば、WTO(世界貿易機構)が特許保護規定の厳守を主張していること、開発途上諸国が利権を行使するために順守しなければならない厄介な規則に問題の一部がある。2005年の初め、WTOの「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS)」が医薬品の特許をまだ完全に保証していない インドやその他の途上国において履行された。このように特許保護が拡大する中で、求められている効果的で廉価な後発薬品の生産拠点が移転している。
(出所: The East African 1月4日号, www.allafrica.com に記載)


企業の半数は将来のエイズ蔓延によるインパクトを想定

世界の企業はますますエイズについて懸念する傾向を見せている。今後5年間にエイズのインパクトが出てくると想定する企業は、昨年は37%であったが、今年は46%に上昇した。この調査はスイスのダボスで開かれた世界経済フォーラム会議の前に世界経済フォーラムのグローバルヘルスイニシアチブが1月11日に発表したもの。今回の調査の対象となった117カ国の11000社の約半数がHIV/エイズは今後企業の事業活動に打撃を与えると考えているが、数量的リスクアセスメントを実施したのはその内の9%のみであった。さらに、過半数企業が公式なHIV/エイズ政策を実施しているのは、HIV陽性者比率が20%以上の地域の場合のみであった。陽性者が少ない地域の場合、エイズ政策を実施しているのはごく少数の企業であるのが現状。

(出所: WEF-GHIの ウェッブサイト。当該調査のタイトルは“Business and HIV/AIDS: A Healthier Partnership?”。www.weforum.orgを参照のこと。)


1日1回服用のエイズ治療薬

多国籍製薬企業のギリアード社(Gilead)とブリストル・マイヤーズスクイブ社(Bristol-Myers Squibb)の2社は、初の一日一回服用エイズ治療薬を開発した。やがて、一日三回服用の治療に取って代わることになろう。「New England Journal of Medicine」の最新号に発表された研究によれば、両社は, HIV陽性者が有しているウイルス量の抑制に特に効果があり、現在通常使われている抗レトロウイルス薬よりも副作用が少ないという結果を得た。2006年末には承認が下りることが期待されている。

この治療のコストがいくらになるかは、まだわかっていない。エイズ治療の推進団体はこの治療薬は単純な治療法を最も必要とする途上国に適正価格で提供されるべきであると主張している。

(出所: 国連地域合同情報ネットワーク;1月20日付ニュース  www.allafrica.com を参照のこと。)


中国: HIV/エイズ陽性者数減少

1月25日に中国保健省、WHO及び国連エイズ計画が合同で発表した数値を見ると、2005年度の推定HIV/エイズ陽性者数は63万人で、2003年度に推定されていた84万人よりも大幅に減少した数となった。これは予防対策の成果が上がったという成功事例ではなく、前回の調査が輸血で感染した陽性者数の推定が間違っていたことを示唆するものである。従って、今回の調査は現状に満足しないよう留意するとともに、陽性者の数は今も増えている事実とHIVウイルスはリスクが高いグループの人々から一般大衆へと広がっている事実を指摘している。HIV/エイズの専門家たちは中国の国民はますます移動性を増しているので、麻薬の注射や性的接触で感染するケースが多くなり、これまで以上に感染リスクが大きくなる、と警告している。

(出所: ロイターニュース 1月 25日)


国連総会での検討


今年、国連総会は、2001年に開催されたHIV/エイズに関する国連特別総会に出席した加盟諸国が合意した目標の達成状況を総合的に検討し、HIV/エイズに関するコミットメント宣言を行う予定だ。この審議は5月31日から6月2日にかけてニューヨークの国連本部で行われる。


ILOエイズからのニュース

世界各国のHIV/エイズと働く世界についてのニュースはILOエイズのウェッブサイトで閲覧可能。http://www.ilo.org/public/english/protection
/trav/aids/index.htm
または http://www.newsnow.co.uk/clients/ilo/results.html?keyword=AIDS

ILOエイズのウェッブサイトのCore DocumentsのページにはILO「HIV/エイズと働く世界に関する行動規範」を実施する際のEducation and Training Manual(教育訓練マニュアル)が記載されている。